お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~
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あの夜、やっと涙の止まった私に申し訳なさそうに藤丸さんは、仕事で食べてくると頭を下げた。
「そんなこと、気にしなくても」
頭を下げる藤丸さんにこちらが逆に申し訳なくなっていると、朝ごはんをお願いされた。
その時、初めて藤丸さんが朝ごはんを食べない人なんじゃなくて、朝が苦手で朝ごはんが時間がなくて食べられない人なんだと知った。
どおりで、あの大音量のアラーム。
いつもバタバタと朝から慌ただしい藤丸さんの様子を思い浮かべて笑ってしまった。
それから、2人で同棲生活のルールを決めた。
私が家事のほとんどを引き受けると言うと
「絶対、無理はしないこと」
何度も藤丸さんから念を押された。
その様子がなんだかお父さんみたいで、2人で笑いあった。