お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~

「じゃあ、行こうか。デートの続きしよ」

藤丸さんはそう言って私の手を取って、グイグイと店内を出口に向かって歩き出した。

 

「はっ?でも、お金…」

 

こんな高級な服買えない。

 

 

 

 

「僕からのプレゼント」

 

愕然とした気分になるのと、ほぼ同時に耳元で囁かれたバリトンボイス。

 

「でも、こんなに高級な…」

「僕の気持ちだから、気にしない。未来の奥様には素敵な服を着ていてほしいんだ」

 

 

藤丸さんの言葉に驚いて、藤丸さんの顔を見上げると言葉を発した張本人もいくらか照くさかったのか、はたまた私の視線に気恥ずかしくなったのか、少しだけ顔を赤らめてプイッと視線を逸らし、またグイグイと歩き出す。

 

 

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