お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~
昨夜の出来事のせいでやっぱりノックをするのを躊躇ってしまった。
昨日のことは、藤丸さんは忘れろって言ったんだから!!
気にしない、気にしない。
いつも通りに…。
私は自分に掛けた言葉にやっぱり少しだけ傷つきながらも大きく一度深呼吸をして、ノックをした。
ノックをしたのに、いつもの藤丸さんの返事がない。
私は藤丸さんの部屋のドアを開ける。
そこに、藤丸さんの姿はなかった。
「えっ…」
私は驚きのあまりその場に立ちつくしてしまった。