お見合い結婚～イケメン社長と婚前同居、始めます～

「今日から、琴理ちゃんはこっち」

 

そんな私の混乱なんてお構いなしの藤丸さんは、私の左手をグイグイ引っ張って藤丸さんの部屋に招き入れる。

 

 

半ば強引に私を藤丸さんのダブルベッドに横にすると、まるで先日の夜と同じように私を抱き枕のように後ろから抱きしめた。

 

「ちょ、ちょっと!!藤丸さん!!!」

抵抗してみたものの、そのスリムな藤丸さんのどこにそんな力があるか分からないほどの力できつく後ろから抱きしめられてしまって、腕の中からはしばらく抜け出せそうにない。

 

 

「これで、朝ドア開けたら居ないなんて寂しいことにはならないでしょ？」

 

耳元で囁かれるバリトンボイスは、妙に色気があって背筋がゾクッとした。