お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~
「僕も、琴理ちゃんは泣かせたくないから」
「だからって!!!」
「おやすみ」
どうやら、藤丸さんは私の言い分は聞かないと決めているみたいだ。
普段は優しいのに、こんな時だけちょっと強引で、時々意地悪に笑って見せて。
それでいて、私の事はこの上なく大切にしてくれている事がヒシヒシと伝わってくる。
もっと、藤丸さんの事が知りたい。
もっと、藤丸さんの笑った顔が見てみたい。
胸の鼓動がうるさいくらいに鳴っているのに、頭の上から規則正しい藤丸さんの寝息が聞こえてきて、それを聞いていたらいつの間にか私も夢の世界へと落ちていった。