お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~
2人で食卓に向かいあって、朝食後のコーヒーを飲む。
朝ごはんを私が準備するようになって、藤丸さんの朝は余裕が出来たらしく最近は経済新聞まで読んで出社している。
「それで、琴理ちゃんがうなされる悪夢ってどんな夢?」
コーヒーを一口飲んだ藤丸さんが私の顔色を伺うかのように尋ねてくる。
「えっ?」
そんなこと聞かれたこともなかった。桐谷さんにも、家族にも、あんなに仲の良い美夏にだって夢の内容をしたことがない。
「なんていうか、ただの夢なんで」
「それでも、知りたい」
優しく微笑んでいるの、藤丸さんの瞳はやっぱり真剣で、そうやって知りたいなんて言われると喋らないといけないような気がしてくる。