お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~
「次はきっと、いい人が現れるわよ。」
「ありがとう」
私に満面の笑顔を見せて、ウインクして見せる美夏は同性の私から見ても美しいと思ってしまう程で、そんな笑顔を見せられるとなんだか本当に大丈夫な気がしてきた。
「それより、別れた課長さんと週明けから一緒に仕事出来るの?何にもなかったことのように…」
神妙な顔つきで美夏が尋ねるので、私は満面の笑顔を返す。
「私の方は大丈夫。だって、きっと課長との関係は、恋でもなんでもなかったって気付いたから」
「そっかぁ」
安心したように呟いた美夏を見ながら、私は残っていたアイスコーヒーを飲みほす。
その時の私はまだ知らなかった。
私の知らないうちに、私の運命の歯車が廻り出していたことに…。