お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~
思わず藤丸さんを拒否してしまった自分に、とめどない後悔の波が押し寄せる。
身体を重ねたかったのかと尋ねられると、そうじゃないかもしれない。
ただ、ただ怖かった。
藤丸さんと離れるって決めたのに、身体を重ねてしまうと出来なくなりそうだった。
身体を重ねることで、自分の中にある何と表現すればいいのかわからない気持ちに名前が付いてしまいそうだった。
もっと藤丸さんを知りたい、もっと藤丸さんを求めてしまう、そう思ってしまう自分が怖かった。
いつか現実に戻る日がやってくるなら、この想いが深くなる前に戻らなきゃ、そう思った。
それなのに、あんな傷ついて動揺した藤丸さんを見てしまったら、拒否しなきゃよかったって思う。
藤丸さんが「頭を冷やす」と、部屋を出ていくとは思ってもいなくて、拒否なんてしなきゃよかったって思う。