お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~
「失礼します」
自分と工藤とを交互に見つめるようにした、近藤さんはその場から逃げだすように背を向ける。
「近藤さん、待って!!」
まるで、何かのドラマで恋人でも追いかけるただの男のように、近藤さんの手首を掴む。
「
あのさ、僕はここまで親友に想われている彼女はすごいと思うよ。確かに初恋の相手に会ってみたいって気持ちがないわけじゃない」
近藤さんの瞳が潤んだ気がした。
さっきまで取材を受けていたソファーセットに戻り、簡単にこれまでの経緯を話すと、近藤さんは信じられないとでもいったように両手で口元を押さえた。