お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~
かち合った視線の先で、琴理ちゃんの瞳が潤み始める。


「不器用で、強がりで、昔からずっと泣き虫で。でも、いざとなったら、大切なものはしっかり守ろうと、どんな相手にも向きおうとするじゃん。琴理ちゃんはきっと無意識なんだろうけど、それだけはしっかり伝わっている」


もう、止まらなかった。
溢れだした気持ちを今伝えないと、後悔するってそう思った。



「僕の原点になっている琴理ちゃんが、頑張っているって、僕の帰りを待っていてくれているって思えたら、僕も頑張れた。琴理ちゃんが好きだ。誰でもいいわけじゃない。琴理ちゃんがいいんだ」


言い放った言葉に、琴理ちゃんの目は大きく開かれた。


そしてみるみるうちに溢れだした涙がポロポロとこぼれ始めた。

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