お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~
「あとは…、うん。結局、琴理ちゃんの考え方次第だから。」

目の前の琴理ちゃんへ向けて放った言葉を、自分にも言い聞かせた。



涙目でじっと見つめてくる琴理ちゃんの視線から逃げるように、顔をそむけた。



そんな顔で見つめられると、今の自分は衝動を理性で抑えられる自信なんて皆無に等しい。

リビングの2人の間には、重苦しい時間が流れる。



その重苦しい空気に耐えきれなかった。

「ちょっと、出てくるね」


琴理ちゃんの顔なんて見ずに呟いて、逃げるようにマンションの部屋を後にしたのだった。


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