お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~
会社から3駅程離れた場所にあるラブホテルの一室で過ごす金曜の夜。
私はベッドのヘッドボードに置いていた眼鏡をかけて時間を確認する。
「もう、こんな時間…。ごめんなさい、私寝ちゃって」
「大丈夫。終電には十分間に合う」
私の言葉を背中に受けながら、彼が真っ白なワイシャツのボタンを留め始めた頃、私はようやくベッドから身体を起こした。
「琴理、あのさぁ。俺達、今日で終わりにしよう」
「桐谷課長?」
「もう琴理も32歳だ。俺じゃなくて、もっと他にいい男がいるだろう」
さっきの悪夢は、このことの前触れだったのかもしれない。
終わりをいつか迎えないといけないことなんて、分かっていた。
それが今日、いきなり終わりを迎えただけのこと。
頭ではそう分かっているのに、素直に「はい」、と言えないのはきっと誰かと居ることの心地よさを知ってしまったから。
私はベッドのヘッドボードに置いていた眼鏡をかけて時間を確認する。
「もう、こんな時間…。ごめんなさい、私寝ちゃって」
「大丈夫。終電には十分間に合う」
私の言葉を背中に受けながら、彼が真っ白なワイシャツのボタンを留め始めた頃、私はようやくベッドから身体を起こした。
「琴理、あのさぁ。俺達、今日で終わりにしよう」
「桐谷課長?」
「もう琴理も32歳だ。俺じゃなくて、もっと他にいい男がいるだろう」
さっきの悪夢は、このことの前触れだったのかもしれない。
終わりをいつか迎えないといけないことなんて、分かっていた。
それが今日、いきなり終わりを迎えただけのこと。
頭ではそう分かっているのに、素直に「はい」、と言えないのはきっと誰かと居ることの心地よさを知ってしまったから。