お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~
「イケメン社長と同棲なんて、お姉ちゃんもやるじゃん」
藤丸さんの急な訪問のせいにより大慌てで準備していると、私の部屋の前を通りかかった幸芽が顔を覗かせる。
「うるさいなぁ」
「お父さんも、お母さんとも話盛り上がっているみたいよ」
「えぇ、何話しているのよぉ」
私は頬を膨らませながら、準備を急ぐ。
「ご両親にご挨拶が遅くなって申し訳ございません」
開口一番、私よりも先に両親に向かって挨拶を済ませ、我が家の小さな仏壇にまで手を合わせた藤丸さんに妹の幸芽は目を輝かせているし、両親も一目で気に入ったようだった。