お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~
片づけが一段落したのは、もう夕方が近づく頃だった。
グルグルグル……
可愛らしさも色気もないお腹の音が小さくなる。
そういえば実家を出る時に、遅めの朝食を摂ったきりだったことを今さらながらに思い出す。
お腹すいたなぁ。
そんな考えが頭を掠めるのとほぼ同時に、ドアをノックされる。
その途端、私は徐々に解け始めていた警戒心を最大限まで引き上げて、ドアを開けた。
「琴理ちゃん、お腹空かない?ちょっと早いけど引っ越し祝いも含めて外に食べに行こ…」
「行きませんっ!!」
警戒心Maxで強気で断ろうとしたはずのに、
グルグルグル……
タイミング悪く、またもやお腹は空腹だということを教えてくれた。
私だけならまだしも、目の前にいる藤丸さんにまでしっかりと知らせてくれたみたいだった。