お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~
きっと今の私は顔中真っ赤なゆでダコのようになっている事は間違いない。
目の前では藤丸さんが、目に涙を溜めて笑っている。
「琴理ちゃん、お腹空いてるでしょ?」
もう答えなんて分かっているくせに、この人はズルイ。
私は小さく頷くと、藤丸さんは満足そうに微笑む。お見合いの時とは違って、瞳の奥まで柔らかく楽しそうに。
「ちょっと早いけど、何か食べに行かない?」
「……はい」
私は悔しくて下唇を軽く噛みながら返事をするしかなかった。