お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~
「ごめん、歩くの早すぎた?」
隣を歩くことすら気が引けてしまった私は、わざと藤丸さんの数歩後ろをトボトボと歩いていると、藤丸さんが立ち止って声をかける。
私が小さく首を横に振ったため、藤丸さんは不思議そうに首を傾げる。
「それじゃあ、具合でも悪い?疲れちゃった?」
私がもう一度首を横に振るので、藤丸さんは困ったような顔をしたので、なんだか申し訳なくなってきてしまう。
「藤丸さんのことを見て振り返る女性もいるのに、私なんかが隣を歩いても釣り合わないっていうか…」
さっきまで警戒心丸出しだったのに、私なんてこと口にしているんだろう…
私が思わず俯くと、藤丸さんはフッと息を漏らすのと同時に私に近づいた。