お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~
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『なぁんだ。初日だし、琴理の事だから藤丸さんとの間に分厚い壁作って、部屋に鍵でもかけて引きこもっているんじゃないかって心配してたけど、杞憂に終わりそうね。』

 

電話越しの甲高い笑い声に私は小さくため息をつく。

 

「もう。美夏、他人事だと思って…」

 

 

外食して、家に帰ると急に藤丸さんと2人きりということを意識してしまった私は部屋に直行した。

 

 

どっと疲れが襲ってきて、ベッドにごろりと横になった瞬間に、親友の美夏からの電話。

 

美夏に今日の出来事を報告すると、甲高い声で笑われてしまった。

 

 

私がこの状況になって引きこもるって思うところが、さすが幼稚舎から一緒に過ごしてきた親友。

でも、この部屋には鍵がないので引きこもりたくても完全には引きこもれない。

 

 

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