お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~

『それで、今日は何か分かったの?藤丸さんが琴理を選んだ理由。』

「ううん。何も」

 

『私はね、琴理が藤丸さんのこと好きにならないといけないとは思わないけど、藤丸さんに警戒心ばっかりだと、藤丸さんも話してくれないわよ。琴理を選んだ理由』

 

 

美夏の言葉に、ハッとした。

「そうだよね、確かに私が警戒して会話しないなら藤丸さんとのゲームも進展しないよね…。」

 

 

ポロリと漏らした言葉に電話越しで美夏が苦笑いしている様子がはっきりと分かる。

『そんなに嫌いなの?藤丸さんの事』

 

「嫌いとかじゃなくて、早く家に帰りたいだけ」

 

 

『お家大好きな琴理らしい』

美夏は呆れたように笑うけど、その口調は優しいから安心する。実家に帰れば、また美夏ともたくさんランチに行ったり出来るんだもん。

 

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