お見合い結婚~イケメン社長と婚前同居、始めます~
「それにしても、琴理ちゃんは料理上手なんだね。また今度何か作ってよ」
「じゃあ、明日作っていいですか?もし遅くなっても食べられそうなもの。」
藤丸さんが驚いたように数回瞬きをする。
あぁ、ちょっと出しゃばってしまったかな。
急に襲ってくる言葉に出してしまった後の後悔。
「……、ふ、藤丸さんが…ご迷惑じゃなければなんですけど」
消え入りそうな声で伝えると、藤丸さんは勢いよく首を横に振り、優しく微笑む。
微笑んだ瞳の奥は暖かな光さえ宿っている。
「明日も作ってくれるって言ってくれるなんて思わなかったから、ちょっと驚いただけだよ。家で琴理ちゃんの御飯が食べられるなんて、嬉しい。ありがとう。じゃあ、明日楽しみにしてる」
藤丸さんはそう言って、もう一度ニコリと笑う。
ズルイ、藤丸さんはやっぱりズルイ。
こんな笑顔見せられると、ドキドキするにきまっているのに。
私だけじゃない、きっと誰だって。