その男、猛獣につき
「俺は、最初に言っただろう。有田なら大丈夫だって。その証拠に、この2週間しっかり生活してるじゃないか。」
ごもっともな先生の言葉に私は頷くしかない。
「それに榎田から聞いたんだが、日曜には車イスバスケも楽しんでるそうじゃないか。」
敦也さんのおしゃべり‼
今度会ったら絶対、文句言ってやる‼
頭に敦也さんのガハハと笑う姿が浮かんでくる。
「まぁ、休日位は楽しみなさい。」
しげちゃん先生が優しく微笑む。
私は、「はい」と小さく返事をした。