その男、猛獣につき
「じゃあ、舞花ちゃんが正直に気持ちを教えてくれたご褒美に。」

敦也さんはそう言って通り沿いにあったコーヒーショップのドライブスルーに入る。


なんか本当に軽いデートみたいだ。



少しだけ敦也さんに警戒しつつ、手渡された期間限定のフラペチーノを口に流し込んだ。


「おいしい」

思わず、頬が緩んでしまって一言漏れだしてしまった。


敦也さんは可笑しそうに肩を震わせる。

「舞花ちゃんは、本当分かりやすいね。主税が夢中になるのも分かる気がする。」



思わず、頬だけでなく耳まで熱を帯びた気がする。


「ひ、久し振りにフラペチーノとか飲んだので思わず……‼だって、実習始まってから殆ど病院から外に出てませんし‼」


敦也さんは私が焦って早口で喋るのを運転しながら、肩を震わせて笑った。

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