その男、猛獣につき

私は言葉が出ない。

 

先週も、先々週も私が寝坊したせいで車椅子バスケにはほぼスッピン状態で参加した。

 

敦也さんのスマートフォンの画面の私はといえば、呆気にとられた顔をしてはいるけれど、メイクはしっかりしている。

 

髪も少しだけ巻いて、簡単にヘアレンジしたし、格好だって今日はシフォン布地のタンクトップ。

先週までのスッピン状態とは自分でも大分印象は違うと思う。



それでも飲みかけのコーヒーを持ち、笑顔の敦也さんの隣で呆気にとられた顔の私はやっぱりひどい顔をしている。

 

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