その男、猛獣につき
言葉が出ないでいた私に、敦也さんは意地悪そうな笑顔を浮かべる。
「体育館に到着!!…っと。主税にメールしておいた。写真付きで。」
「えぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
敦也さん一言に私は助手席で絶叫する。
「主税にちゃんと送迎してるって報告。」
私の絶叫にも殆ど動じず、敦也さんは笑う。
「そんなことなら、もっと笑顔で写ったのにぃ」
敦也さんはそんな私の一言に、可笑しそうにガハハと笑った。