その男、猛獣につき

「おいおい、まだ残り2日あるんだからな。森田さんの訓練、気を抜くなよ」

先生は、そう言って蛇睨みで私を睨みつけるけれど、そういう先生だってとても嬉しそうで満足そうな顔をしている。



「はいっ!!頑張ります」
私が張り切って返事をすると、先生と視線がぶつかってしまい、2人で吹き出して笑ってしまう。



こんな時間がずっと続けばいいのに…・



私は終わりの見えてきた実習への達成感と同時に、先生との別れが来ることへの寂しさと不安を感じ始めていた。

< 239 / 328 >

この作品をシェア

pagetop