その男、猛獣につき

☆★☆

「有田、遅い。」

14時をまわった病院の駐車場。
俺は、有田を待ちながら一人車内で呟いく。



「明日、車イスバスケどうする?」

「もちろん、行きます‼」

昨日の帰り際、目をキラキラさせて行きたいと言った有田に、14時ともう一度念押しした。




それなのに、一向に現れる様子はない。




「あっ‼番号知ってるんだった。」

ふと思い出して、有田に電話をかけてみる。

数回コールの後、留守電に切り替わる。



「何やってんだ、有田」

連絡のとれない有田に業を煮やし、俺は車を降りて、リハビリ室に向かった。

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