いちご味~雨のち飴~
正門をくぐると、ちょうど朝練が終わったらしいバスケ部の『ありがとうございました!!』という大きな声が聞こえてくる。

バスケ部副部長の関原 遼河《せきはら りょうが》くんは私のもう一人の幼なじみである。


?「よっ、関原!!」

遼河の肩をバシッと叩き、ニカッと笑うショートカットの女の子。

男子系女子の杉原 渚《すぎはら なぎさ》ちゃん。
渚ちゃんの後ろでニコニコしてるのは、原本 真也《はらもと しんや》くん。

渚ちゃんと遼河はなぜかやけに仲が良くて、端から見たらカップルとしか思えない。

だけど私は、あの光景が少し助かると思ってる。

偶然にも転校してきたこの学校が、幼なじみの二人の転校先で…いや嘘。

本当は、二人の転校先を教えてもらって、この中学校にきた。

そんな再会をした当日、私は遼河に呼び出されて告白された。

もちろん私は好きな人がいるからって振った。

彼は『今まで通り普通に幼馴染みとして仲良くしよう』って言ってきたけど、正直気まずくなる時もある。

だから、ああやって仲のいい女の子がいると、参考になるっていうか…なんか助かる。
< 4 / 8 >

この作品をシェア

pagetop