いちご味~雨のち飴~
遥「…行こう乃愛」


渚ちゃんたちの会話を聞きながら、遼河からの視線を感じて気まずくなった私は


その場から逃げた。


乃愛「えっ?あ、待ってー!!!」

遥(もうこんな空気の中居たくないの、乃愛、一人で残るなら残りな)

乃愛「遥!!」

遥「なに?」

乃愛「逃げてたら…何も変わらないよ?」


少し首を傾げて微笑む乃愛を見ながら、息が詰まるのを感じた。

あぁ…今の私の体は、乃愛といることさえも拒んでる。


遥「疲れる」

乃愛「ん?」


ダメだ、止めなきゃ。言葉を止めなきゃ。


遥「乃愛といると疲れる」

乃愛「______え?」


ダメよ遥、それ以上言ったら乃愛を傷付けることになる!!


遥「乃愛はいいよね、モテるから余裕あるもんね。ジャニオタなんかと幼馴染みで、本当は嫌なんでしょう?」

乃愛「何言ってるの?そんなことないよっ」

遥「私のこといっつも見下してるくせに」

乃愛「は…はる…か…?」


やめなさい、やめなさい遥…!!
お願いだから、もうやめて!!!


遥「クスッ…焦ってるのを見るのは優越感に浸れて楽しいわ♪」

乃愛「ちょっと遥!!なんのつもり?どうしたの?」


乃愛が私のことを心配してくれてる。

いつもなら、どれだけ嬉しいことか…。

でも今は、乃愛の潤む目を見るのも、乃愛が体に触れようとするのも、全てを拒絶してしまう……。


遥「触らないでよ汚らわしい!!!」


違うの、こんな事が言いたいんじゃない…!

乃愛お願い、わかって…これは本心じゃないの…。










もう一人の私なの…!!!
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