桜色
「玲二っ…」
背後から聞こえる兄の声
溢れたそれは頬を濡らす
「間に合わなかった…」
ぽん
「勝手に人の命諦めるなよ…っ」
肩を叩かれはっとする…
走り出した兄を追った
血が流れている…
べったりとそれがついた鉄パイプ達
急いでそれらを取り除く…
あ…
最後の一本…
なんでこれだけ…
なんでだよ…
鋭利な突起のついた鉄パイプは青い男の男にたくさんの傷を負わせていた
白いものがちらつき始める
ゆき…
白と赤と青が混ざって視界がぐらりと霞んだ