桜色
〜mirei


私が教室に戻ると早輝ちゃんの姿がなかった
あれ?
皆の様子を伺うとお弁当とかを広げている
お昼ー?




「中谷さーん?」


中谷さんを呼ぶ
んー


「な か や さーん?!」





出てこない…
え…
私のご飯は?
まさか
ないの…
立ち尽くしている私をへんな目で見る生徒達…
これは…
購買?ってとこ行くやつ?
また中谷さんの地図に頼りながら購買へ行く


がらららら


おばさん達がシャッターを閉めていく
え?



「あ、あ、……
あの……」




「んー
どしたのお嬢ちゃん」



「ご は ん
アリマスカ?」





「ごめんねー
今日はもう何にも…
そこらへんの人に貰ってみたら?」




おばちゃんが指した方向を見る…
ここって…
そういう系の学校なの…
カラフルヘッド達がたくさん…
顔の恐い人達はずーっと見てきたから慣れてるけど…
皆黒髪…
だし…
まぁ
あいつとか
兄下とかは違うけど…さ……
あと…
中谷さんも…
中谷さんのは…
私のわがまま


「どーしたんですか
漣 美麗s…ぱしん………」


いきなり背後から現れた男に驚いて無言のまま殴ってしまった
だって…
背後からだよ……
びっくりするよね…
本当に
でも…


「ご、ごめんなさい…」



「こちらこそ
驚かせてしまったようで」




まともな言葉遣い…
顔を上げてみる

あ、黒髪…



やったー
まともな人に会えた…




「あ り が と う…」


きゅっ



思わず抱きついてしまった
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