桜色
懐かしい香水の匂いがする…
これ…
あいつが使ってたのと同じだ……
安心する匂い…
「漣ちゃん?!」
焦ったような声に慌てて離れる
「す すみません…」
「う うん…
で どーしたの?」
「ごは ん
なくっ て……」
「ん?
あー
奈緒〜〜〜」
「んー」
奥から奈緒と呼ばれた男がやってくる
金…髪………
「ごめんねー
こいつがいっつも全部買っちゃうんだよね…
好きなの選んでいいよ…」
奈緒というやつからビニール袋を取りあげ私に渡してきた
いいのかなと見てみるが遠慮しないでと目で言われたので遠慮せず…
んー
物色させてもらった…
メロンパンと〜チョココロネと〜カレーパンとその他もろもろ…を取り出す
「ぶはっ
意外と食べるね」
その言葉にムカついてそっぽを向いた
「俺のp…ドコッ………」
笑い出したその人は私に近づいてきた奈緒さんを思いっきり殴る…
え…
待って……
まともじゃない…
「漣ちゃん
一緒にご飯食べよっか
僕はs……」
私は走り出した
誰もいない廊下で本日二度目、
叫んだ
「中谷さんっっ」
「はーい♪」
私の背後から出てきた
「中谷さん…」
「はいはい?」
「ここの学校ね…」
「はい…」
「まともな人がいないの…っっ」
「ブハッ
美麗ちゃん〜
それはまだ決められないんじゃない?
だってまだ初日だよ」
爆笑しながらそう言う中谷さん…
でも…
だって…
皆変…
「中谷………」
目の前の男の袖を引っ張る
「はい?」
いつもより低い返事
「しゃがんで…」
「はい」
優しい声だ…
その声…
私が大好きな声
私の目の前に膝をついた大男
ぎゅっ…
自分に抱きよせる
自分の色に染めた彼の髪に触れた
柔らかい…
.