桜色
「……」
勢いよく部屋の扉が閉まった
「今のはないんじゃない」
続いて扉が
次は
静かに閉まった…
ぱたん
なんにも…
知らなさすぎるんだ…
おれも詳しくは知らないけど…
さ
〜♪
唐突に
電話が鳴った
「はい
畠山です。」
相手は
ふs……がしゃん
だった
写真たてが落ちた
-haruka
ぁあ
そうだ
手紙を机に置く
今月の……
カレンダーを見る
桜色のペンでバースデーと書いてあった
10日しかねえ…
何してやれるかな…
考え事をしながらリビングへと入った
-mirei
たった1つの
母と私をつなぐ物
それでしか情報を知り得ない物
表紙には
漣 紗智栞
漣 (美麗)
私の名前はパパの字で書かれている
静かに表紙を開く