桜色
ぱさ
ページの隙間から舞い落ちた紙
茶色いシミが
いや
茶色が染み込んだ紙
「落ちたよ。」
遥が拾った
その手から紙を受け取る
これって…
まさか
紙を開く
言葉を失った
思考回路も停止した
頬に雫がつたう
「遥にあげる…」
紙をたたんで彼の手のヒラの上に戻す
「なに?
これ……」
血塗られた半紙
交わされた約束
彼の父を縛り付けた
もの
誓い…
「これは…
美麗が持ってるべきだよ」
再び折りたたまれた紙が差し出された
「でも遥のパパの…「父さんが美麗にあげたものだ
俺が受け取れるものじゃない。」
強い瞳。
「わかった。」
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