桜色
〜mirei
何でお父さんが鬼って呼ばれてたか……
やっと分かった
血の池地獄の番人かな…
ははっ
乾いた笑いが口から漏れた
それに顔……。
背中に軽い衝撃を受ける
青色だった
押されてる……
隣に出て銀色を構えた
「2人とも……
何でここにいるのかな?」
敵の後ろから現れた怖い顔の緑
「中谷……。」
私は彼に笑顔を向けた
彼は呆れた顔でわたしから目線を外した
皆が見る桜色
皆が惹かれる理由も分かる
けど……
「中谷っ……」
彼の方が大きく揺れた
もう一度こちらを見る
「何だい美麗ちゃん。」
彼は笑った
「俊平!」
「お前その女の子を連れ出せ。」
私たちの時間が止まった
外ではまだ怒号や喧騒が続いてる
青も緑も偽物の桜色も桜色の鬼を見て止まっている
「中谷っ……。
聞いちゃダメ。」
「俊平……。
わたしが最後にしたお前への命令
覚えてるな。
」
心の奥底まで読まれそうな鋭い目
男は彼から目が離せなくなっている
彼の腕を掴んで体を揺する
ビクともしない
「私はもう大切な者を失いたくないんだよ。
それがその子達と……
お前だ
俊……」
笑顔と頬を流れた雫
中谷は私と遥を抱えた
「お前に頼んだだろ
16年前……
その女の子を守れって。
私はこの場所を守る……。
お前たちが帰ってこれるようにここを守るから……。
お前はその子らを頼んだよ。」
俊平と呼ばれる男は走り出した
雫が額に落ちる
雨?
うんん
空は星が瞬いている
それは緑色の雲から落ちていた
「中谷……」
離してって暴れることも許されないようなそんな顔だった。
男はいつまでも走り続ける
16と17の男女を抱えたまま……
……。
〜〜〜
着いた。
あの建物だ
今日パーティーをした……