桜色


〜haruka


銀のタグを置き
またね。
と言って出てった男














その男を追おうとする女は止めた
そしてそのまま彼女は眠っていた






自室のベッドに寝かせ机に目を写した
封をされた十数枚あった白い封筒は残り一枚になっていた






















……。

また
3年後。












それだけだ。

湊さんが書くものはいつも何か小言を入れる
何もない
ただ3年後にまた会おうってだけ……










……。


ははっ。





笑いが溢れた
溢れ出した水も床を濡らした








3年経ったら俺は20歳か……。
彼女を見た。
いつもの皺は無かった。






広角は緩やかに上がっている……






「遥……。」






ふふっという笑い声
目は瞑られたままだ



何の夢みてるんだろ



……




〜〜〜






〜mirei


手紙があった

1/11

それには昨日の日付が書かれている
私の16回目の誕生日は既に終わっていた







封を切られたそれを読もうとは思わなかった

遥はベットに顔を沈めて寝ていた










私がベッドから降りると彼は顔を上げた
「美麗。」










「なに、遥。」

















「いい夢見れた?」






























そういえば、
とてもいい夢を見ていた気がする。




心があったまるような……






















「遥…
中谷はまたね、って言ったよね。」





「うん。」




彼はいつも優しい目を私に向けてくれる
そして話を聞いてくれた















「私ね。
私の守りたいものを見つけようと思う…。



















守りたいって思って戻ったけどまた私は色んな人に守られた。
私の本当に守りたいものを見つけたいの」




















「いいと思うよ。」



彼は穏やかに笑った


















「それに。
湊さんが3年っていう時をくれた。





ゆっくり探そう。」






















〜〜〜

















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