桜色
「中谷さーん」
廊下の真ん中で呼ぶ
どこからも現れる様子がない
あれ?
「中谷さん?」
「な か や さん…?」
気配はする…
絶対近くにいる
「なかやっ!!」
早く出てきて
気配が少しづつ離れていく
「しゅんぺいっ」
中々出てこない中谷さんの下の名前…
まぁ呼ぶことないし、、
「しゅーんp……「美麗ちゃん?」
後ろから一気に迫ってくる足音に思わず横にさけた
が…
無駄だった、
誰かに抱きつかれた、、
この声覚えてる
昨日のあの変な黒髪
それを静かに振りほどき
まっすぐ伸びる廊下を走り出す
後ろから追ってくる数人の生徒たち
昔っから鬼ごっこは得意、、
だけど
鬼があんなにたくさんいたことない…
「中谷さんっ」
走りながら名を呼ぶ
どこにいるの…
さっきまで感じていた気配はもうない
もう…
いつも大変な時にいない……
シャラン♪
あ…
銀色のそれが視界に入ってすぐに消えた
慌ててそれを拾おうとするが奥からは生徒たちが迫ってくる…
ごめん、h……a……
小さくあいつの名前をつぶやくとまた走り出す
どしんっ
「はーいストップ
面倒臭いから逃げないで」
視線をあげる
また…
こいつ…
「なにか よう?」
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