桜色
「早輝ちゃんが真面目な顔してる…」
そんなことをボソッとつぶやく
だが聞こえていたらしくチョップをくらった
「てめっ、何してやがる…」
どこからか駆けつけた中谷さんが早輝ちゃんの胸ぐらを掴んだ
早輝ちゃんは少し考えてから
「中谷さんも来てたんですね」
「あ?」
中谷さーん…
怖いですよ
声すっごく低い
軽〜くチョップされただけですよー
しかも知り合いに…
むかーしからパパ、兄上、兄下、中谷さん…
その他諸々はすっごく過保護だ…
ママも…
私…
あの日まで1人で外出たことなかったよ?
いっつも誰かしらついててくれたから
「中谷さん…
征兄の友達の早輝ちゃんです」
二人の間に入る
「えっ…
征一君の…?!
それは失礼しました…」
そういうとまたどこかへと消えていった
中谷さん…
昔から何かあると駆けつけてくれる…
でも
あの日は…
来なかった…
いくら、どれだけ呼んでも彼は来なかったんだ…