桜色
「漣ちゃん…」
色素の薄い瞳が私を捉える
「さっきは、ごめん…」
顔色の悪さと声の弱々しさ
いつもの図々しさは無い
あの美桜の隣の男…
こいつだよ…
なんで今まで気付かなかったのかな…
「遅れてごめん,
それにステージでもあんなことして…」
目の前にぺたりと座る男
「なんで遅れたの?」
「墓参り…」
「美桜の?」
美桜という言葉に過剰に反応する彼
彼の背中を優しく叩いた
「さっきの行動は許さないけど遅れたのはしょうがない…」
「美桜のことは許せない…
でも
忘れないで……
いこう
私も一緒に皆に誤ってあげる…」
気づいたら私の頬にも何か生暖かいものが伝っていた
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