桜色
「ゆ、ゆうれい?
近づかないで!」
南無阿弥陀南無阿弥陀……
目を閉じて念仏を唱える
「いやいや生きてるから…」
「征兄っ!
パパっ!!!」
アシメ男ことパパと黒スーツこと征兄の後ろに隠れる
「そろそろ俺泣くけど…」
2人の間から見える三ヶ月ぶりの飴男こと…
玲兄
「本物?」
少しだけ顔を出す
「うん」
「足ある?」
「ある」
「名前は?」
「漣玲二」
「好きな飴の味は?」
「苺」
「親友の名前は?」
「遥」
「玲二〜!」
はぁ…
と大きく息を吐いた玲二
思わず飛びつく
「あ、
玲二どこ行ってたの?」
笑みを浮かべた
〜minato
~5時間前~
今日は暇だな…
中谷さんもいないし
「とーさん今日桜華祭らしいよ」
パソコンの作業を終えた長男がこちらを見た
「なに、そのキラキラした目
言いたいことあるならいえば」
「行こう!」
「めんどくさい」
「行くよっ!
今日は暇なんだから」
腕を引っ張られる
「どーせなら
玲二と由奈も呼ぶ」
「かーさんは今京都でしょっ
って待って…
玲二?!!!、!!??!!?!」
征二の言葉にカレンダーを見る
本当だ
「玲二って「うるさい征一」」
何とか丸めて
今にいたるんだが…
さすが兄さんの子供……
怒った顔がそっくり
疑い深いところも…
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