桜色
扉を勢いよく閉めると急いで保健室に向かう
てか…
何で倒れてきたの?
あーっっ
聞いてくればよかった…
反省、反省…
んー
まぁいっか…
先生に任せよう
そういう事は
ガラッ
扉を開ける前に開いたぞ…
中から出てきたのは…
は?
「奈緒…?
なにしてんの…サボり?
サボりはダメだなぁ…
さぼりは…」
「待てよお前も……バキッ…」
「言い訳はダメだよ
これ以上成績落としたらどうするの?」
すでに意識の無い奈緒を見ずに開いた扉の中へ進む
ん?
僕もサボってるって?
いいんだよ…
頭いいからっ
ねっ
「せーんせーいっ」
あれ?
今日いない日だっけ…
扉に戻るとお出かけ中の文字
んー、まっいっか…
「借りまーすっ」
ポスっ
白ーいシーツが引かれたベッドの上に寝かせる
んー
こんな子いたっけ…
あんま教室に行かないにしても…
見たことない…
てか女子だよ?
ここ今年度から共学になったけど一人も入ってこなかったし…
あー
噂の転入生か…
色素の薄い茶色の髪に入った桜色のメッシュと桜色の唇
綺麗だね…
手で少しすくってみる
〝かける〟
目を閉じればいつでも出てくる一人の少女…
はぁ…
さくらの下の記憶
目を開く
このまま放置は危ないかな…
女子だし…
獣ばっか…
眠い……
まだ心地良いその夢を見たい…
そう思い目をつぶった