恋色風船
どこへ、とは尋ねない。

酔いがまわったふりをして、シートに身をもたせる。


そうして車は、渋谷のシティホテルの駐車場へすべりこんでいった。


時間差でエレベーターに乗り、フロントに上がる。

男がフロントで部屋をとり、そのあいだ麻衣はロビーでうつむいて待つ。

先にキーを手にした男が部屋へ向かう。

携帯に部屋番号が送られてくる。
それを確認して、指定された部屋へ上がってゆく。
< 22 / 118 >

この作品をシェア

pagetop