恋色風船
愚痴とも自慢ともつかない、長々とつづく仕事の話は、麻衣には受け止めかねるものだ。


この場合、男は恋人に、なにを求めているのか。


そんな責任ある仕事してるアキくんって、すごいね。
いつも応援してるよ。


尊敬のまなざしで見つめて、賞賛の言葉を降らせる。

じっさい、そのようにしていた時期もあったのだけど。
今は、何かが足りなかった。



明彦との付き合いは、一年ちょっとになる。
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