流れ星


音葉と話をしながら
私はやっぱりそうなのかと
肩を落とす



「あ!今日はゆうくんのところにこれから行かなきゃなんだった!みーちゃんまたね~」



音葉はパタパタと走っていく




本田雄輝(ほんだ ゆうき)
通称ゆうくんは音葉の彼氏さん

なんでも吹奏楽部のイケメンらしい

私も音葉も中高と吹部だった

音葉は今でもやっている



私はもう十分やったと満足した



音葉の走っていった方向をボーッと眺めながらこれからどうしようか考えていると





「くりちゃんじゃん!」





げ………





同じゼミの星野大地(ほしの たいち)が現れた

くりちゃんと私によく声をかけてくる




「星野くん、おはよう。どうしたの?」



できる限り笑顔で答える

星野くんは明るいし優しいしイイ人だけど
グイグイくるからちょっと苦手な私

顔や態度に思ってることが出やすい私は
ばれないように適度な距離感で接する



「何って訳じゃないけど発見したから声かけた!」


別に声かけなくてもいいのに…

と心の中で思いつつ


「そっか~今日はゼミないし会えないもんね~」


思ってもいないが一応伝える



「そーなんだよ!くりちゃんに今日は会えないかなって思ってたけど会えて嬉しいな~」



ははははぁ~


とりあえず笑ってみる

でもどうしたらいいのやら



「大地!栗原さん困ってるだろ」

「琢磨~くりちゃんとお話ししてたんだから邪魔すんなよなぁ~」

「ごめんね!こいついつもうるさいよね~」


優しいし大人な対応で私に話しかけて
星野くんをつれていこうとする

大塚琢磨(おおつか たくま)

大塚くんは星野くんの幼なじみらしく
いつも一緒にいて保護者みたいになっている


その様子を見ているとなんだか面白い



「こいつ、連れてくね!ごめんね~」


「あ!よろしく!ありがとね!」



苦笑いで見送る


「くりちゃん!その言い方は早く連れていってって聞こえるよ!ひど~」


子供かって……

「はいはい。栗原さん困ってるから」


わかってるね~
さすが大塚くん!


「じゃあまた明日ね!」


二人に別れを伝える


わたしもそろそろ帰るか…





















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