そばでいつも…

「優衣～～？？今日ってさ暇？久しぶりに放課後デェトしちゃおっかぁ？」
あたしは、嬉しさでいっぱいだった。

「ごめんっ！！
　ウチ、今日用事あるんだゎ！！」
申し訳なさそうに優衣が言った。

「なぁに？用事って？」

あたしが尋ねると、優衣は、照れくさそうに言った。
「あたし、彼氏いるんだ。翔太っていう…。」

「えぇぇぇ！？すごぉいねっ！！優衣！
　じゃぁ。本物の放課後デートじゃん？いいなぁ★」

「驚きスギだから！！
　16歳で彼氏持ちとか普通だし！沙柚璃だってかわいいし、できると思うよ～！」

優衣は、そう言い残し走って教室を出て行った。

「なんか置いてかれてるなぁ…。あたし。」
あたしは、1人言を呟いた瞬間、あたしの名前を呼ぶ声がした。





「沙柚璃！」





この瞬間からあたしの恋が始まっていたなんて、あたし自身も知らないことだった。