手を伸ばせば、きっと。
華純と悠都

ドアを開けると、私の目の前に悠都くんが立っていた。


「は、初めましてっ!」

「初めまして。俺、悠都な」

「うん…!私、」

「華純、仲良くしてな」

「…っ」


ドキッ…

また、呼び捨てにして…私の調子を狂わせるんだ。


「こちら…こそ…」

「さっきから何でそんなに歯切れ悪いの?」


ドアに寄りかかりながら、私を笑った。


「緊張してて…」

「…緊張?」

「悠都くんは、知らない人を前にしても緊張しないの…?」

「んー、しないな」

「すごい…」

「てか、部屋入るよ?」

「え、あ、え…!」


悠都くんは、開けっ放しにしていたドアを閉め、私の部屋に入ってきた。

背、高い……。


「昨日までなーんもなかった寂しい部屋だったのに。」


そう言って私の部屋をぐるりと見渡した。

悠都くんが座ったので、私も腰を下ろす。


「呼び捨てでいいから、名前。」

「でも…」

「俺ら兄妹になったんだし」

「……」







"兄妹"。

分かってるよ、だけど。

同い年の男の子といきなり兄妹になるだなんて、
そう簡単には信じられなくて。

私も高校生で年頃だから、やっぱり兄妹よりも男子として
意識しちゃうよ。

同級生の彼氏がいたっておかしくないんだよ?














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