手を伸ばせば、きっと。
「って言っても、俺が華純を妹として見れる日、いつになんだろーなー」
「…?」
「高校生で、異性ばっか意識する年頃なのに、同い年の女の子といきなり同居なんて…親父、鬼だな」
「変な感じしかしないよね」
「ほんとな!」
よかった、同じこと思ってた。
悠都くんが笑うから、私も笑える。
いつの間にか、緊張がなくなっていた。
「学校はそのままなんだろ?」
「うん」
「どこなの?」
「桜花女子高校」
「頭が良くて品があるお嬢様しかいないとこか」
「ふふ、そんなことないよっ」
私がいる時点で、そんなことないって証明される。
「悠都く…悠都は…?」
「その調子。俺は創世学園」
「え!創世学園て、サッカー部有名なとこだよね!」
「そうそう!」
「悠都、サッカー部なんだもんね!」
「知ってんだ?今言おうと思ったのに」
「お母さんが言ってた!レギュラーなの?」
「ん、レギュラー」
「すごーーい!…あ、ごめん!」
「それが本来のテンションなのか」
悠都はクスッと笑って、面白そうに私を見る。