手を伸ばせば、きっと。
悠都は着替えに行ったみたい。
「お母さん、今日のごはん何?」
「カレーとサラダよー」
「じゃあ私、まずサラダ作るね!」
「ありがとう、お願いね」
「どう?悠都くん、優しい?」
「うん!長身だから怖かったけど、話してると楽しい!」
「ふぅ、それならよかった。」
着替え終わった悠都が下りてきた。
「俺も、なんかすることある?」
「悠都くんは…疲れてるだろうから座ってて」
「部活の疲れなんてもう慣れたよ」
疲れてないってことなのかな?
「家で何かすることはないの?」
「ストレッチはしてる」
「じゃあストレッチしてて。料理は私と華純がするから」
「ん、わかった。ありがと」
すぐ前にあるリビングのテレビを点けて、床に座って脚を伸ばすと、近くに置いてあった固そうな小さいボールで、ふくらはぎの筋肉をほぐしていく。
そんなこと、毎日してるんだ…。
アスリートだなあ。