手を伸ばせば、きっと。
「華純もやってもらったら?」
「え、い、いいよ!!筋肉ないし!」
「悠都くん、部活でマッサージ指導もしてもらってるんだってよ?」
「じゃあお母さんがやってもらえば…!」
「そうね、今度ほぐしてもらおうかな」
二人の視線は悠都に向かっていた。
「私もスポーツやってればよかったかなぁ」
「辛いこともたくさんあるけど、それ以上に、勝ったときは嬉しいし、楽しいことだってたくさん経験できる」
「そっか、お母さん、バレーやってたんだもんね」
「うん。華純にもスポーツに興味持ってもらいたかったわ!」
「う"…」
「今が楽しいならそれで十分だけどね!」
「楽しいよ。サラダできた!」
そのままボウルごと冷蔵庫に入れておく。
「次は何するー?」
「じゃあ…」
こうして、お母さんと話ながら料理するのは今まで通りのことだけど、今は目の前に悠都がいて。
それが日常的なことになるんだよね。