手を伸ばせば、きっと。
いつから見えてたんだろう…。
きっと、悠都の目線が高いから、私の胸元なんてすぐに見えてしまうんだ。
…私たち、兄妹なんだよ?
恋愛感情なんて、持ってはいけない関係だから。
そんなに意識すること、ない……。
自分にそう言い聞かせながらTシャツに着替えた。
コンコンコンッ
「華純…、さっきは…変なこと言ってごめんな」
「ううん!気づけてよかった」
「……開けていいか?」
「うん!」
ドアが開いて、悠都が顔を覗かせてきた。
「今日は夕方まで親父も母さんもいないから、昼は外に食べに行かないか?」
「行きたい!」
「おっけ!じゃあ、準備できたら教えて」
「はーい!」
ドアが閉まったのを確認して、私はまた着替えを始めた。
おでかけおでかけ♪
可愛い服を着ていきたいなぁ。
ワンピースはやめて、ショートパンツに…あれこれ……
悠都が待ってるから、髪は…ゆるーく巻くだけ。
あれから30分後、メイクもナチュラルなものにして、悠都の部屋をノックした。