手を伸ばせば、きっと。
それから3分くらい歩いてビルに到着。
エレベーターで6階に上がると、「彩葉ーいろはー」というお店があった。
「いらっしゃいませ!2名様ですね。ボックス席と、カップルの方にオススメしている個室がございますが、どちらになさいますか?」
「どっちがいい?」
「…個室がいいな。」
「個室で。」
「かしこまりました。2名様ご案内しまーす!」
店の奥の方には、定員4人の個室が6つあった。
「ご注文の際にはそちらのボタンでお呼びくださいませ。ごゆっくりどうぞ。」
「ありがとうございます。」
店員さんに軽く頭を下げる悠都。
店員さんが個室から出たことを確認して、悠都は言った。
「やっぱ俺らってカップルに見えるんだな。」
「……」
そんな真剣な顔で呟かれると、意識しちゃうよ…。
「華純、先選びな。」
「ありがと。」
メニュー表を受け取って、目を通す。
メニューが多い…!!
あれこれ悩んで5分後、やっと決まった。
「私、蒸し野菜セットで」
「了解。 俺は…これ。」
はや!
ボタンを押すとすぐに店員さんがやって来た。
「蒸し野菜セットと赤魚の西京焼き御膳お願いします」
「かしこまりました。ご注文を繰り返させていただきます、蒸し野菜……」
店員さんにすごく礼儀正しくて、好感持てる。
店員さんは個室を出ていった。