水男(ミズオ)
校門には一組の夫婦が立っていた。


2人の手には大きく引き伸ばした
女の子の写真が張り付けられた


ボードを持っている。


それを見て
何とも言えない表情をした高山君。


下を向いて校門をくぐろうとした時
大きな声が響き渡った。


「私たちの子供の行方を
知りませんか?」


父親が大きな声で
悲痛な言葉を叫んだ。


「どんな手がかりでもいいんです。
誰か知っている人はいませんか?」


疲れ切った顔の母親が
か細い声で叫んだ。


「どうかお願いします!
私達の子供を探す

手がかりをください!」


高山君は知っていた。


この学校の生徒が


数日前失踪したことを。


警察がどんなに探しても
女の子の行方は分からなかった。


血を吐くような
子供を亡くした親の叫びを聞いて


高山君は心が震えていた。


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